AI業務ワークフロー自動化
サイト経由のリードを受け取り、意欲を判定し、CRMを更新し、商談を設定し、営業に通知し、フォローアップまで自律的に回すセールス/マーケティング自動化の一式。

担当領域
アーキテクチャと納品をリード。自動化グラフの設計、各エージェントのワークフロー、CRM連携、ライブのワークフローダッシュボードを構築した。
期間
3.5か月
年
2026
技術スタック
ステータス
稼働中サイト経由のリードを受け取り、意欲を判定し、CRMを更新し、商談を設定し、営業に通知し、フォローアップまで自律的に回すセールス/マーケティング自動化の一式。
インサイドセールスのチームは、1日100件以上の問い合わせを手作業で選別している。フォームの内容を読み、意欲を採点し、CRMを更新し、商談を設定し、フォローアップのメールを書く。SDRは時間の70%をこの繰り返し作業に使い、価値の高い会話に充てられない。さらに、フォローアップが遅れるために見込みのあるリードの40%が冷めてしまう。
LangGraphのエージェントを使い、サイト経由のリードを取り込み、Claudeで意欲を採点し、HubSpotを更新し、Calendlyで商談を設定し、個別化したフォローアップを回すところまでを自律的に行う営業自動化を構築した。SDR業務の85%を精度93%で処理し、月1000件以上のリードから$187kの有望なパイプラインを生んでいる。
リードの意欲判定
Claude 4 Sonnetがフォームの内容、サイトから収集した企業情報、過去の受注パターンを踏まえて意欲スコアを付ける。「エンタープライズ向けRAG」への言及は、一般的な「AIチャットボット」の問い合わせより3倍高く評価される。
CRMの自動更新
スコアリング、メール送信、商談設定、フォローアップの完了といったすべての動きが、HubSpotに履歴として自動で記録される。営業マネージャーは手入力なしでパイプラインの動きをリアルタイムに把握できる。
個別化したメール配信
Claudeがリードの用途、企業規模、語られた課題に触れたフォローアップ文を書く。開封率は平均42%で、業界平均の21%を上回る。
ライブのワークフローダッシュボード
Next.jsのダッシュボードで、各リードが自動化のどこにいるかをリアルタイムに表示する。スコアリング、CRMの更新、設定済みの商談、そしてROIを含むファネル分析まで確認できる。
意欲に応じた分岐
意欲の高いリードにはすぐCalendlyのリンクを送り、営業へ通知する。低いリードは段階的にコンテンツを届けるナーチャリングへ、判断が付かない場合は確認のメールへ回す。
このプロジェクトを形づくった技術選定と、それぞれを選んだ理由。
LangGraph 0.2.5
AI・MLリードの選別には条件分岐ではなく本当の推論が必要なため、n8nやZapierではなくLangGraphを選んだ。「このリードはコンプライアンス要件に触れているのでエンタープライズ営業へ回す」といった判断は、静的なワークフローノードでは再現できない。
Supabase
データPostgresを土台にしているため、FirebaseではなくSupabaseを選んだ。ファネル分析やコホート分析といった複雑なクエリが必要で、NoSQLでは扱いにくい。行レベルセキュリティによりマルチテナントのデータ分離も自動で成立する。
HubSpot API
バックエンド対象となる顧客、つまりスタートアップや中堅企業の多くがすでにHubSpotを使っているため、SalesforceではなくHubSpotを選んだ。カスタムプロパティ、商談パイプライン、メールの追跡をAPIで直接扱えるため、SalesforceのSOAP APIに比べて統合の手間が60%少なかった。
SendGrid
インフラ到達率の分析とドメインのウォームアップ機能が優れているため、SESではなくSendGridを選んだ。新規開拓のメールでは受信箱への到達率95%以上が必要で、SendGridのIPレピュテーション管理があれば実現できる。
意欲に応じた分岐とCRM連携を備えた、イベント駆動のリード自動化パイプライン。
リードの受け取り
サイトのフォーム送信 → Webhookが発火 → リード情報の抽出と企業情報の補完
意欲の採点
Claude 4 Sonnetがリードの文脈を分析 → 意欲を高・中・低に分類し0〜100で採点
CRMの更新
HubSpotの連絡先を作成・更新 → 商談ステージを設定 → 担当地域に応じて担当者を割り当て
振り分け
意欲が高い → Calendlyのリンクと営業へのSlack通知 / 低い → ナーチャリングの配信 / 不明 → 確認のメール
フォローアップ
個別化したメール配信を開始 → 開封とクリックを追跡 → 反応があればエスカレーション
分析
ライブダッシュボードでファネル、ROI、パイプライン金額、流入元の寄与を可視化
開発中にぶつかった難所と、どう乗り越えたか。
スコアリングの較正
当初の意欲判定は見込みあり・なしの二択で、精度は60%だった。質の低いリードが営業へ流れ、システムへの信頼が損なわれた。2週間後には、担当者が自動判定されたリードを完全に無視するようになっていた。
複数の信号を組み合わせるスコアリングに変えた。フォーム本文の解析(30%)、Clearbitによる企業情報の補完(25%)、過去の受注パターンとの一致(25%)、行動シグナル(20%)である。加えて営業担当がリードの質を評価するフィードバックの経路を作り、毎週モデルを再学習している。
スコアリングの精度は60%から93%へ改善した。営業側の受け入れ率は35%から89%へ上がり、自動化経由のパイプライン金額は3.2倍になった。
大量送信時のメール到達率
新しいドメインから毎日500通以上の個別メールを送ったところ、35%が迷惑メールへ振り分けられた。GmailとOutlookが送信パターンを一括送信と判断し、フォローアップの流れが事実上止まってしまった。
SendGridで6週間かけてドメインをウォームアップし、1日の送信量を20通から500通へ段階的に増やした。DKIM、SPF、DMARCの認証も追加した。さらに送信時刻をばらつかせ、1時間あたり最大50通に制限して、人の送り方に近づけた。
受信箱への到達率は65%から96%へ改善した。開封率は42%で安定し、自動化された新規開拓としては業界平均の2倍になっている。
